「オートオークション」と言う言葉を聞いたことはありますか?


名前から車に関する競りを行うオークションであることはわかるかもしれませんが、具体的にどのような業者があって、どのように利用されているのか、車業界の方でないとわからないと言う方も多いのではないでしょうか。
今回は、中古車販売店の経営を視野に入れている方に向けて、中古車販売店には欠かせないオートオークションについて、その具体的な内容や実際に行っている業者の比較などを行っていきたいと思います。

 

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●オートオークションについて

近年では一般的なネットオークションだけではなく、業者向けに行われる様々な商品を取り扱ったオークションが存在します。
そんな中でも車を取り扱ったオークションのことを「オートオークション」「Auto Auction(AA)」と言います。
多くの場合、オートオークションは自動車の中古販売を行う業者を対象とした会員制の形態が取られていることが多く、中古車市場が大きな盛り上がりを見せ始めた昭和末期頃から徐々にその規模を拡大していきました。
昭和末期頃から広く知られるようになったのですが、その起源は意外に古く、トヨタ中古自動車販売株式会社が昭和42年に開催した「第一回トヨタ中古車オークション」にまでさかのぼることができます。

より多くの業者に利用されるようになったきっかけとしては、後述する「株式会社オークネット」が「TVオークション」を開始したことが上げられます。
専用の端末を使用し、出品された車のデータや写真を見ながら競りを行うスタイルは、現在のオートオークションの原型になったと言うことができるでしょう。
現在では、専用端末を使用したポスティング方式だけでなく、専用のオークション会場で行われる車両引き回し方式やその多レーン化などにより、より多くの業者がこのオークションを利用して中古車の仕入れを行っています。

●代表的なオートオークション業者

オートオークションが普及した理由としては、多くのオートオークション業者が登場したことが上げられるでしょう。
代表的なオートオークション業者と、各々の業者の特徴を、ここで簡単に紹介したいと思います。

・株式会社オークネット|http://www.aucnet.co.jp/

前項でも紹介した「株式会社オークネット」は、昭和60年に世界で初めて中古車のTVオークションを始めた、この業界のパイオニアと言える会社です。現在では中古車以外にも様々な商品を対象とした業者向けのオークションを行っており、実績も十分な会社として多くの業者が利用しています。

・株式会社ユー・エス・エス|http://www.ussnet.co.jp/

「株式会社ユー・エス・エス」は、32.3%のシェア(2005年、グループ企業含む)を誇る業界トップクラスの会社です。大規模なオートオークションを早くから行っていた業界の草分け的な存在でもあり、現在でも大規模なオークションを数多く開催しています。

・株式会社ベイオーク|http://www.bay-auc.com

「株式会社ベイオーク」もまた、規模の大きな業者として広く知られています。その規模は、西日本でもトップクラスであり、数多くのオークションを行っています。また、手入札の形式の自動車オークションは昭和53年から行っており、実績も十分な会社と言うことができるでしょう。

・アライオートオークション|http://www.araiaa.jp/

「アライオートオークション」は、大正9年創業の会社「荒井商事株式会社」によるオートオークション業者です。昭和62年より開始しており、実績も十分な会社と言えるでしょう。自動車だけでなく、オートバイ、大型トラック、更には建設機器、産業機器なども取り扱った幅広いオークションを行っていると言う点もまた大きな特徴として上げられるでしょう。

●各オートオークションの比較

前項では、主要なオートオークション業者を紹介しました。
ここではこれらの業者の特徴をポイントごとに比較していきたいと思います。

・オートオークション業者としての実績

前項での解説からもおわかり頂けたかもしれませんが、主に手入札方式を行っていた旧時代と、TVオークションが開始されてからの現代の2つに分けることができます。
その為、現代においてはTVオークションが開始されてからの実績をより重視する必要があると言えるでしょう。

この点において最も実績があるのは、最初にTVオークションを開始した株式会社オークネットです。
多くの実績によって培われた豊富な実績は、企業に対する信頼度の高さにも大きな影響を及ぼしていると言えます。
また、株式会社オークネットから2年遅れてTVオークションを開始したアライオートオークションもまた、その実績は十分です。

・行っているオートオークションの規模


より多くの中古車を仕入れる為には、業者選びにおいて、より大きな規模のオートオークションを行っていると言う点も重視すると良いです。
扱っている自動車の数や、参加している業者の数など、どの点を重視するかによって大きく変わってきますが、最もシェア率の高い株式会社ユー・エス・エスが群を抜いている状況になっています。
一方で、自動車だけでなく、オートバイ、建設機器、産業機器なども取り扱っているアライオートオークションもまた、見方によっては規模の大きな業者です。

●オートオークション利用のルール、参加に必要な資格

オートオークションを利用するに当たっては、利用に際したルールを熟知するだけでなく、参加に必要な資格も揃えておかなくてはなりません。
ここではそれらのルール、資格について解説していきます。

まず、基本的に業者向けに開催されている為、個人が参加することはできません。
あくまでも中古車を扱う業者が仕入れを行うための場所であると言う前提は覚えておく必要があります。

また、中古車を販売する業者であっても、販売実績が少ない業者はオークションへの参加ができないと言うケースもあります。
中には、古物商としての資格を持っているだけでなく、古物取引実績が1年以上あるなど、厳格な規定を設けている会社も存在するようです。

●オートオークションの活用方法

オートオークションの概要や参加に際して知っておくべきルール、必要な資格などがわかっても、実際にどのような活用方法があるのかよくわからないと言う方も多いことでしょう。
そのような方のためにオートオークションの活用方法についても解説していきます。

前述したように、中古車を取り扱う業者が仕入れを行う為に開催されています。
その為、オークションにおいては、様々な車種が出品されています。
このことから、例えばただ単に人気のある車種に入札を行うだけでなく、特定の顧客が探している車種をピンポイントで入札し、仕入れると言ったことも可能となります。
このような顧客のニーズに応えやすいと言う点はオートオークションのメリットの一つと言えます。

また現在主流となっているインターネットを使用したオートオークションでは、オークション会場に出向くことなく入札が行えるだけでなく、事前に出品商品の情報を見る事もできる為、時間を効率的に使うこともできます。

●まとめ

いかがでしたでしょうか。今回はオートオークションの概要やその活用方法などについて解説しました。
業者向けに様々な企業が行っているこのようなオークションは、時間やお金を無駄にすることなく、効率的に中古車の仕入れを行う際には不可欠で、実際に中古車の流通には欠かせない存在となっています。
しかし、その一方で流通に変化が起きつつあるということも業界内では囁かれています。

それについて詳しくは次の機会に解説をしたいと思います。

 

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