エコカー減税いつまで?押さえておきたい平成30年の免税・減税制度

平成28年12月に国土交通省から発表された「平成29年度自動車局税制改正要望結果」によって、平成29年度以降のエコカー減税延長が判明してからはや数カ月。
「どうやら、免税制度の基準が厳しくなっているようだ」という噂は聞くものの、正直内容がどう変わったのか等について理解できない方も多いのでは?
そこで今回は、そもそもエコカー減税とは? 平成30年(2018年)度からエコカー減税がどのように変わっていくのか?といった点について詳しくまとめていきます。

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◆ そもそもエコカー減税とは?


エコカー減税とは、国土交通省が定めている排出ガスおよび燃焼基準を達成した自動車を対象とする税の優遇・免税制度のことです。

一定の条件下で新車を購入した場合、「自動車取得税」「自動車重量税」が減税・免税される仕組みで、その他新車登録の翌年度には自動車税が減税となる「自動車グリーン化税制」といったものもあります。
エコカー減税がスタートしたのは2009年度のこと。経済産業省が主導となり進められてきました。2012年度には「新エコカー減税・中古車特例」とし、減税対象車の燃費基準が切り替えられました。この際のポイントは、より環境性能の優れた自動車に対して優遇を行うというもので、期間が3年延長された経緯があります。

なお、同時に注目されていたのがエコカー補助金です。こちらは2011年12月20日〜2013年1月31日の間で新車登録を行った自動車を対象に補助金を出すというもの。しかし、予算の3000億円を補助金申請総額が超過したため、現在は募集がされていません。ちなみに、エコカー減税とエコカー補助金は併用利用できましたが、必要となる環境要件には差違がありました。

このように、2000年前後に起こったエコカー減税・エコカー補助金は、環境性能の優れた車の販売に貢献したと考えられます。一方、税収等の問題により、その基準が厳しくなってきていることは、2012年頃の段階で明らかでした。

◎より基準の厳格化を行った制度改正

こうした背景の中、2015年度に行われた燃費基準の改正により、より基準が厳しくなります。この際に採用されたのは「32年度燃費基準」というもの。これにより、エコカー減税の対象車は新車販売台数の約9割から7割にまで絞り込まれる予定になっています。また、自動車と軽自動車の燃費基準も統一されました。政府としては、段階的にことを進めるとしていますが、今後ますますエコカー減税の間口は狭くなっていくことが予想できるでしょう。

この制度改正の理由は主に3つと考えられます。ひとつは国際社会の一員としてのCO2削減義務を達成するため。大義名分的な部分です。そして次に自動車税の減収。これは、減税対象車が増えすぎてしまったことに起因します。最後に、消費税10%の増税施策延期による財源確保です。

◎平成32年度燃費基準とは?

平成32年度燃費基準とは、温暖化対策の推進に関わる取り組みのひとつであり、主に運輸部門についてまとめられているものです。運輸部門は日本国内におけるCO2排出量の約2割を占めているとも言われており、自動車で言えばガソリン、軽油、LPガスなどが該当します。平成32年度燃費基準では、2020年度までに達成しなくてはならない目標基準値が定められました。

◎自動車税・自動車取得税への影響について

燃費基準の基準が厳格化することにより、自動車税と自動車取得税には大きな影響が予想されます。具体的に、自動車税の場合は減税の対象となっている車種の数が5割程度まで少なくなるでしょう。また、自動車取得税の場合は現在の9割から7割へと減少します。もちろん、その中から購入する車を選べればいいわけですが、選択肢が狭くなることは否めません。

◆自動車取得税の廃止と新たな税


さて、エコカー減税の基準が厳格化する中で、自動車購入者にとって得なのでは? とも思えるニュースも伝わっています。それが、自動車取得税の廃止です。

この法案はすでに国会でも可決されており、消費税の10%増税のタイミングで施行される予定です。ただし、本来は2017年4月1日から施行の予定でしたが、消費税増税が延期されたために、現状も廃止には至っていません。実は、この自動車取得税の廃止が行われていないことが、エコカー減税の延長の理由です。

しかしながら、文面を読んでいただければ分かる通り、自動車取得税が廃止されたとしても、消費税が2%アップするわけですから、実は大きな得とは言い切れないのが本件の特徴です。実際の数字は車種等によって異なるので割愛しますが、エコカー減税が将来的になくなった場合、新車購入・運用時での税負担額はほとんど変わらない、場合によっては重くなることも考えられるでしょう。

◎環境性能割の登場

自動車取得税が廃止された後には、実は別の税金が追加されることも分かっています。それが「環境性能割」です。こちらをかみ砕いて説明すると、燃費のよい車は税負担が軽くなり、燃費性能が悪い車は税負担が重くなる、というものです。

目的としては自動車税制のグリーン化税制に近いですが、ここで基準とされるのは環境性能です。以下、税率ごとの対象車を見てみましょう。

電動自動車やプラグインハイブリッド車、平成32年度燃費基準値+10%達成車など環境性能の高い自動車は非課税となります。
平成32年度燃費基準値達成車が対象で1%となります。なお、営業用は0.5%です。平成27年度燃費基準値+10%達成車は2%となります。なお、営業用は1%です。
そして、それ以外の自家用乗用車はすべて税率が3%になります。

(環境性能割) 税率 対象車
非課税 電動自動車やプラグインハイブリッド車、平成32年度燃費基準値+10%達成車など環境性能の高い自動車
1% 平成32年度燃費基準値達成車※営業用は0.5%
2% 平成27年度燃費基準値+10%達成車※営業用は1%
3% 上記以外の自家用乗用車はすべて

◎環境性能割による税負担について

現在、自動車取得税はエコカー減税の適用によって6区分に分けられています。しかし、環境性能割が適用された場合には、自家用乗用車が4区分に、軽自動車は3区分になります。シンプルにはなりますが、税負担はどうなるでしょうか?

まずは自家用乗用車の場合。平成32年度燃費基準達成車に関しては、非課税になるケースが多く、そうでない場合も税率が下がるため負担は軽減されます。一方、未達成車の場合は軒並み増税になってしまいます。

次に軽自動車について。こちらについては、自家用乗用車よりも影響の範囲が広がります。平成32年度燃費基準達成車の場合であっても0.2%のアップ。得をするために平成32年度燃費基準+10%達成車でなくてはなりません。

◆自賠責保険料と任意保険料


さて、最後にちょっとしたお得情報もご紹介します。減税・免税とは厳密に違いますが、自動車に乗るにあたって必要な保険料のお話です。

近年では、テクノロジーの進化によって自動ブレーキなどの精度が高まり、自動車の事故率が減少傾向にあります。これを受け、自賠責保険料が2017年4月に値下げされました。実に9年ぶりのことです。さらに、損害保険料率算出機構が自動ブレーキ搭載車の「参考純率(自動車保険料算出の基準になる割合)」を、2018年1月から約9%安くすると発表。税金ではありませんが、車にかかる費用がひとつ安くなる嬉しいニュースと言えるでしょう。

◆減税・免税のポイントまとめ

以前に比べてエコカー減税の対象車が減ったこともあり、自動車購入へのハードルが高くなったように感じる方も多いでしょう。しかし後半で述べたとおり、自動車取得税の廃止と増税はイコールであり、さらに環境性能割なども導入されれば、どのタイミングで購入するのがベストかが分かりにくくなっていきます。このように、延長されているエコカー減税や、厳格化した平成32年度燃費基準というのはさまざまな面で自動車オーナーに関わってくる問題と言えます。これからも、目が離せません。